ABOUT

定盤とは

材質と耐久性にこだわり、
安心と信頼の製品づくり

SURFACE PLATE

定盤

定盤とは、製造業や機械加工において工作物を正確に固定し、加工や組立の基準となる平面を提供する重要な装置であり、特に高精度が求められる作業においては不可欠な存在です。通常、鋳鉄や鋼製で非常に平坦な面を持つ定盤は、部品の安定した位置決めを実現し、加工精度や品質管理の向上に貢献します。また、定盤は測定機器と組み合わせて使用されることが多く、部品の寸法や形状を厳密にチェックするための基準としても機能します。

定盤のイメージ写真

KINDS

定盤の主な種類

OS-105の製品写真

箱型定盤

内部が空洞になっている構造を持つ定盤です。この設計により、軽量でありながらも高い剛性を実現しています。主に小型部品の測定や組立作業に適しており、狭い作業スペースでも使いやすい特性があります。また、内部の空洞は振動を抑える効果があり、安定した測定環境を提供します。

OS-101とOS-102の製品写真

精密定盤

高い精度と平面度を求められる用途に特化して設計されています。製造プロセスにおいて、厳密な寸法測定や形状確認が必要な場合に使用されます。通常、鉄や花崗岩などの素材で製造され、表面は非常に滑らかに仕上げられています。精密定盤は、金型や精密機械部品の検査に欠かせない道具で、品質管理の重要な要素となっています。

OS-109の製品写真

工作用定盤

英国規格に基づいて設計された定盤で、特に工業用途において広く使用されています。この定盤は、厳しい平面度や直角度が求められ、高い剛性と安定性を兼ね備えています。精密な測定が求められる環境において、特に信頼性の高い基準面として機能し、機械加工や組立作業において重要な役割を果たします。

GRADE AND ACCURACY

定盤の等級・精度

2級・1級・0級:定盤の平面度は日本産業規格(JIS B7513)によって0級、1級、2級に区分されています。

00級
定盤の中で最も高い精度を持つ等級です。平面度の誤差が非常に小さく、極めて厳密な測定や加工が必要な場面で使用されます。
0級
非常に高い精度を持つ等級です。この等級の定盤は、平面度の誤差が極めて小さく、精密測定や高度な機械加工に適しています。 (JIS B7513 準拠)
1級
定盤の中で高い精度を持つ等級です。高精度な機械加工や検査に広く使用されており、特に製造業において、品質管理や精密測定が必要な場面で役立ちます。(JIS B7513 準拠)
2級A級
定盤の中で中程度の精度を持つ等級です。日常的な加工や測定作業で使用されており、多くの製造現場で標準的に利用されています。(「2級」は JIS B7513 準拠、「A級」はメーカー規格)
B級
メーカー規格の等級です。
機械
メーカー規格の等級です。

MEASURING TOOL TYPES

測定工具の種類

水準器

水準器のイメージイラスト

定盤が水平かどうかを確認するために使用されます。

ノギス

ノギスのイメージイラスト

寸法の測定に使われ、内外径や深さを確認できます。

マイクロ
メーター

マイクロメーターのイメージイラスト

高精度な測定が可能で、特に厚さや直径の測定に適しています。

ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージのイメージイラスト

微小な変位を測定するために使用され、特に平面度や直角度の検査に役立ちます。

三次元測定機
(CMM)

三次元測定機(CMM)のイメージイラスト

立体的な形状や部品の寸法を高精度で測定します。

ゲージブロック

ゲージブロックのイメージイラスト

特定の寸法を基準に、他の測定工具の精度を確認します。

プロトラクター

プロトタクターのイメージイラスト

角度を測定するために使用されます。

FINISHING

定盤の仕上げ

定盤の仕上げとは、製造過程における最終的な加工段階であり、定盤の平面度や寸法精度を確保するために行われる重要な工程です。この仕上げ作業は、定盤が精密な測定や加工の基準面として機能するために欠かせません。

粗加工された定盤の表面を平坦に整えるために、フライス加工や研削加工により、初期の形状を整えます。
次に、精密な仕上げを行うためには研磨作業が実施されます。さらに精度を高める場合は、ハンドラッピングにて微細な凹凸を取り除くことで、表面の滑らかさを向上させます。

仕上げが完了した後は、デジタル水準器や三次元測定機を使用して平面度や寸法が確認されます。この検査により、定盤が規定の仕様を満たしているかどうかが判断されます。必要に応じて再加工や調整が行われることもあります。

このように、定盤の仕上げはその精度と信頼性を保証するための不可欠な工程であり、高品質な製品を提供するための基盤となっています。正確な仕上げがなされることで、製造業や測定業務において、より高い精度と信頼性を実現することができます。

SELECTION POINTS

定盤の選定ポイント

用途

目的に合った定盤を選ぶことが最重要

平面度・精度

定盤の平面度や寸法精度は、
測定結果に直結するため、規格(JIS等)を確認

材質

材質(鋳鉄製・石製・その他)を考慮し、
耐久性や振動吸収性などを検討する

サイズ

作業スペースや対象物に合わせた
適切なサイズと形状を選ぶ

環境

温度の急激な変化がある環境や湿度の
高い場所は、材質選びが重要

予算

必要な性能を持ちながら予算内に収める

HOW TO USE

定盤の使用方法

  1. 01

    設置

    周囲の振動や温度変化を最小限に抑えるために、設置面を清掃します。

    必要に応じて水平器を使って水平を確認しながら、平坦で安定した場所に配置します。

  2. 02

    清掃

    定盤の表面を清掃し、ほこりや油分、異物を取り除くことが重要です。

    清潔な状態で使用することで、測定精度を確保できます。

  3. 03

    基準設定

    測定や加工を行う際は、対象物を定盤の上に配置し、位置を調整します。

    必要な基準を決めて、測定器具や加工機械の位置を確認します。

  4. 04

    測定または加工

    定盤を基準にして、測定器具や加工機械を使用し、対象物の位置を確認しながら精密な作業を進めます。

  5. 05

    検査

    測定結果を確認し、必要に応じて再測定を行い、結果が基準に合致しているかをチェックします。

MAINTENANCE

メンテナンス方法・校正

環境
定盤の設置場所の環境を整えます。温度変化や振動の少ない安定した場所を選び、湿気や直射日光を避けることが重要です。
日々の清掃
ほこりや油分、異物が付着していると、測定精度に影響を与えるので、使用後は必ず定盤の表面を清掃します。柔らかい布や専用のクリーニング液を使用して、優しく拭き取ります。
保護剤の塗布
定期的に防錆剤を塗布することで、定盤の表面を保護し、錆を予防します。特に、湿気の多い時期(梅雨の時期や台風前後)は、多めに塗布しておくことをおすすめします。
錆の対処法
軽度の錆の場合、研磨剤を使用して、錆を優しく削り取ります。その後、表面を清掃し、残った粉塵や汚れを取り除いたあと、柔らかい布を使って、クリーニング液で拭き取ります。
摩擦チェック
目視での確認や、精度測定器を使用して、定期的に表面の摩耗具合を確認します。
位置調整
定盤の設置位置が変わっていないか、定期的に確認し、必要に応じて水平調整を行います。
校正
使用頻度や環境に応じて周期を決めます。1年に1回を推奨しておりますが、使用頻度が高い場合やクリーンな環境でない場合は短縮(半年〜1年未満)を検討します。管理基準に沿った周期設定ISO 9001やJISの品質管理基準を参考にするとよいでしょう。

ATTENTION

定盤の注意点

平面度の確認

定期的に平面度をチェックし、測定精度を維持することが重要です。

衝撃に注意

重い物を落としたり、衝撃を与えたりしないように気をつけることで、定盤の平面度やたわみを保ちます。

荷重管理

許容荷重が設定されていますので、過剰な重量を載せないようにします。定盤に重い部品を載せる際は、許容荷重を超えないように注意し、均等に配置することが求められます。また、未使用時にはワークを載せないようにご注意ください。

振動管理

定盤が設置される場所の振動にも注意が必要です。振動が大きい場合は、振動吸収性のある設置台を検討します。

清掃とメンテナンス

使用後は、常に清掃を行い、汚れや油分を取り除くことで、定盤の劣化を防ぎます。汚れがたまると、測定結果に影響を与えることがあります。

環境の影響

温度や湿度の変化が定盤に与える影響を理解し、適切な環境で使用することが重要です。特に温度変化が激しい環境では、材質の変形やたわみが発生する可能性があります。

湿気対策

湿気の多い環境では錆が発生しやすいため、防錆処理を施し、適切な保管を心がけます。湿気対策は特に重要です。

定期的な校正

測定精度を保つために、定期的な校正を行い、必要に応じて専門家による点検を受けることが推奨されます。